もうすぐ『魔性眼鏡』発売日。
何か私にできることはないかな?
……。
……そうだ、インタビューなんてどうだろう。
質問くらいだったら私にもできそうだし、
おとぎの世界の皆さんのことを
もっとよく知ってもらえる気がする。
私はオウジ様のもとへ向かった。
【オウジ様】
「姫、僕に何か聞きたいことがあるみたいだね」
【主人公】
「えっ、ど、どうしてそれを……」
【オウジ様】
「ふふ、愛しい姫のことなら、何でもわかってしまうの
さ。さあ、何でも聞いてごらん」
【主人公】
「ええと、じゃあ……何かご趣味はありますか?」
【オウジ様】
「こうして姫とおしゃべりをすることかな」
【主人公】
「オウジ様……!」
【オウジ様】
「ふふ。頬が薔薇色に染まっているよ。もしかして、姫の趣味も僕と同じだったのかな」
【主人公】
「あ、は、はい……」
【主人公】
「私も、オウジ様とおしゃべりするの、好きです……」
【オウジ様】
「嬉しいな。次の質問も僕と同じ答えだといいけれど。次は何だい?」
【主人公】
「ええと、特技は何でしょうか」
【オウジ様】
「姫を笑顔にすることかな」
【主人公】
「ふふっ。素敵な特技ですね」
【オウジ様】
「そうとも。世界一素敵な特技さ」
【主人公】
「では、次の質問です。口癖は何かありますか?」
【オウジ様】
「口癖か……うーん、何だろう」
【オウジ様】
「他のどんな言葉より口にしているのは『姫』って言葉だけれど……この答えでは、ダメかな」
【主人公】
「そ、そんな、ダメだなんてこと、あるわけないです。素敵だと思います」
【オウジ様】
「よかった。ホッとしたよ」
【主人公】
「では、次の質問です。好きな言葉を教えてください」
【オウジ様】
「愛と平和さ」
【主人公】
「ラブ&ピース、ですね。オウジ様らしいです」
【オウジ様】
「ふふ。次の質問は何かな?」
【主人公】
「あっ、はい。その、変なこと聞くようで申し訳ないん
ですけど」
【オウジ様】
「? 何だろう」
【主人公】
「恋愛経験とか、せ……性交渉の、ご経験は……」
【オウジ様】
「うーん、困ったな。経験だなんて……そんなこと、僕
の口からはとても言えないよ。ごめんね」
【主人公】
「い、いえ! いいんです。すみません」
【主人公】
「じゃあ、次は……好みの女性のタイプを教えてくださ
い」
【オウジ様】
「僕のお姫様は、君ただひとりだよ」
【主人公】
「素敵……ありがとうございます……! じゃあ、私の
第一印象を教えていただいても……?」
【オウジ様】
「僕の可愛いお姫様さ。一目見た時から、心を奪われて
いたよ」
【主人公】
「……っ……は、恥ずかしい……でも、嬉しいです……」
【主人公】
「最後に、おとぎの世界の人たち――ピーチさん、シー
ドルさん、童帝くんの印象を聞かせてください」
【オウジ様】
「うーん、彼らか……。皆面白い人たちなんだけれど、
国がとても乱れてしまっている。困った人たちだね」
【オウジ様】
「そのためにも、姫には頑張ってもらいたいんだ。つら
いこともあるだろうけど、君は1人じゃない。いつでも
僕がついていることを忘れないで」
【主人公】
「オウジ様……私、頑張ります」
【オウジ様】
「うん、その調子だ。おとぎの世界を、よろしく頼んだ
よ」
オウジ様の笑顔を見たら、元気がでてきた。
色々大変なこともあるだろうけど、頑張ろう。
おわり